新潟県中越地震やスマトラ島沖地震、台風や大雨による土砂災害など日本各地や世界で大きな災害が相ついで発生しています。神奈川県でも、東海地震や県西部地震などの地震はいつ起きてもおかしくないとされています。 地震、津波、集中豪雨、火山噴火といった自然災害は、いつどこで発生するのか予測することは難しく、また我々の力でとめることもできません。みなさんは、お住まいの地域にどのような危険が潜んでいるかを知っていますか。また、万が一のときに備え、具体的な対策を講じているでしょうか。 防災対策の必要性には分かっていても、「何をすればいいのか分からない」「忙しくて時間がない」「いつ起こるか分からない災害に備えるのは面倒だ」「大地震が起きたらどんな備えをしても無駄になる」という気持ちになることもあるでしょう。しかし、事前に防災対策を行っていれば、いざ災害が発生したときには被害が確実に軽減するといわれています。 この冊子は、災害が起こってから慌てるのではなく、神奈川県にどのような危険があるのか、災害に備えるにはどうしたらいいのかをまとめたものです。防災について考えたりご家庭や地域での防災対策を取り組むきっかけとしてご利用いただければ幸いです。 1地震に備えよう! (1) 地震の基礎知識 地球の表面は、十数枚のプレート(厚さ数10kmの岩盤)で覆われています。それらのプレートは、それぞれが違う方向に、年間数cmの速度で移動しています。プレートの境界では、大陸のプレートの下に海のプレートが沈み込んでいます。海のプレートが沈み込む境界にできた溝が海溝やトラフです。地震はプレートの境界で主に発生するといわれています。日本列島は、大陸のプレートであるユーラシアプレートや北米プレートと海のプレートである太平洋プレートやフィリピン海プレートの境界にあるため、太平洋側の海底には、いくつもの海溝やトラフが連なっています。 地震は、プレートの境界で起こる「プレート境界型地震」とプレート内で起こる「内陸型地震」の主に2つに分けられます。 海のプレートが年数cmの割合で、大陸のプレートの方へ移動し、その下に潜り込みます。やがて、大陸のプレートの先端が引きずり込まれ、ひずみが蓄積します。そのひずみが限界に達したとき、大陸のプレートが跳ね上がり、地震が発生するとともに、津波も発生します。これがプレート境界型地震です。 海のプレートの動きは、陸のプレート自体も圧迫し、内陸部の岩盤に少しずつ歪みが蓄積されていきます。これが限界に達したとき、地下の岩盤の弱い部分で破壊によるずれが起こります。こうして起きるのが、内陸型地震です。内陸型地震のうち同じ場所で繰り返し、地表に断層を現わしているものを活断層型地震といいます。 内陸型地震は、一般にプレート境界型地震に比べ規模が小さいのですが、地下の浅いところで発生するため大きな災害をもたらします。 ○1 地震のしくみ 〈日本周辺プレート〉 地震調査研究推進本部「地震発生のメカニズムを探る」から引用プレート境界型地震の発生の仕組み ■プレート境界型地震 ■内陸型地震 地震はプレートの運動によって起こりますが、神奈川県周辺には、フィリピン海プレート、太平洋プレート、北米プレートという3つのプレートが集中しているため、多くの地震の発生が指摘されています。その中には、プレート境界型地震もあれば、内陸型地震もあります。 神奈川県には、11の主な活断層があり、東海地震や神奈川県西部地震などの発生の切迫性が指摘されています。残念ながら、県内には絶対に安全なところはないというのが現実です。しかし、事前策を行うことで被害は軽減しますので、日頃からの防災対策が大切です。 神奈川県の地震と活断層 神奈川県に影響を与える地震には、次のようなものがあります。 ■神奈川県で想定される地震 ある地層面を境にして、両側の地層にずれが見られる地質構造のことを「断層」といいますが、その中でも、過去数十万年の間繰り返し活動し、将来も活動する可能性のある断層のことを「活断層」といいます。県内には、活断層が約30本存在していますが、そのうち活動度の高いA級活断層及び主要起震断層は11本となっています。県内にある活断層の概要は以下のとおりです。 ■神奈川県内の活断層ある100年〜200年先 東海地震 南関東地震(大正関東地震の再来型) 南関東地域直下の地震 神奈川県西部地震 神縄・国府津−松田断層帯 三浦半島北断層群 それ以降約300〜2050年前断層名 最新活動 再来間隔 切迫性地震名 マグニチュード 地震のタイプ 切迫性 @伊勢原断層(B級)A秦野断層(A級)B渋沢断層(A級)C衣笠断層(A級)D北武断層(A級)E武山断層(A級)F引橋断層(A級)三浦半島北断層群G神縄・国府津− 松田断層帯(A級)三浦半島南断層群(南下浦断層)H平山断層(A級)I小向断層A 級)J生沢断層系(A級)I小向断層(A級) ※A級活断層:1000年あたり平均1mから10mの変位速度(ずれの量)のある活断層主要起震断層:B級活断層(変位速度が0.1m〜1m/1000年)以上でマグニチュード7以上(長さが20km以上)の活断層 県内に影響を与える5つの想定地震について、地震被害の想定は以下のとおりです。 ○ 地震被害の想定 液状化しやすい埋立地などにある建物であっても、過去の事例では、硬い地盤まで杭を到達させ、杭と建物とが緊密に固定されている建物では被害をまぬがれたといわれています。お住まいの建物の設計・構造について、施行業者や専門家に確認・相談されることをお勧めします。 地震の揺れと被害 ■震度と被害規模 震度は、地震動の強さの程度を表すもので、震度計を用いて観測します。ある地点が実際にどう揺れるかは、地震のエネルギー規模だけでなく、震源からその地点までの距離、地盤条件などに左右されます。 ■マグニチュードと震度の関係 マグニチュードは、地震のエネルギー規模を表す単位で、マグニチュードが1大きくなるとエネルギー規模は約32倍になります。 マグニチュードと震度の関係は、電球の明るさと机の上の明るさとの関係にたとえられます。同じ電球からの光でも、机がどのくらい離れているかで、机の上の明るさは変わってきます。 このように、マグニチュードの値が同じ地震であっても、震源が遠ければ震度は小さく、震源が近ければ震度は大きくなります。 ●震度0人は揺れを感じない。 ●震度1屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。 ●震度2室内にいる人の多くが、揺れを感じる。つり下がっている電灯などがわずかに揺 れる。 ●震度3屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じている。 棚の食器が音を立てることがある。 ●震度4眠っている人のほとんどが目を覚まし、部屋の不安定な置物が倒れる。 ●震度5弱家具の移動や、食器や本が落ちたり、窓ガラスが割れることとがある。
●震度5強タンスなど重い家具や、外では自動販売機が倒れることがある。自動車の運転 は困難。 ●震度6弱立っていることが難しい。壁のタイルや窓ガラスが壊れ、ドアが開かなくなる。 ●震度6強立っていられず、はわないと動くことができない。重い家具のほとんどが倒れ、戸がはずれて飛ぶ。 ●震度7自分の意志で行動できない。大きな地割れや地すべり、山崩れが発生する。 (気象庁震度階級関連解説表による) 日本全国には分かっているだけで約2,000の活断層があり、どこにいても地震への備えが必要です。 被災しない準備としては、住宅の耐震化と家具の固定が重要な対策です。とくに、寝ている間は無防備なので、家具の配置を工夫したり、転倒防止策をとりましょう。 いざというときに備えて、家族で身を守る方法を話し合っておきましょう。 1)一人ひとりの役割分担 ・日常の予防対策上の役割と地震発生時の役割の両方について決めておく・お年寄りや乳幼児などがいる場合は、だれが助けるのかを決めておく
く2)危険箇所のチェック ・ブロック塀や門柱をチェック、老朽化したものや問題がある場合は補強する ・屋根瓦やアンテナをチェック、危険なものは修理・交換する ・ベランダの植木鉢などは落下しないように固定する ・プロパンガスのボンベは鎖でしっかり固定する 3)安全な空間を確保 ・家の中に家具のない安全なスペースを確保する ・出入り口や通路には物を置かない ・家具の転倒や落下を防ぐ対策をとる ・寝室などには大型の家具を置かない 4)非常持出品のチェック ・必要な品がそろっているかをチェック ・定期的に保存状態や使用期限を点検し、必要に応じて交換する 5)防災用具などの確認 ・消火器や救急箱の置き場所を確認しておく ・消火器の使い方、応急手当の方法を覚えておく 6)連絡方法や避難場所の確認 ・家族が離ればなれになったときの連絡方法や避難場所を確認しておく ・休日等を利用し、避難経路の下見をしておく (2) 地震から身を守るには 阪神・淡路大震災のとき、人々がどういう行動をとったのかについてのアンケート (「阪神・淡路大震災における消防活動の記録」神戸市消防局編)によりますと、「何もできなかった」と回答した人が39.5%にのぼっています。いざというときにあわてないように、家族みんなでどうしたらいいのか話し合っておきましょう。 阪神・淡路大震災では、築30年以上の老朽化した家屋、重い屋根の家屋、筋かいの少ない家屋、窓などの開口部が多く、壁の量の少ない木造家屋の倒壊が多かったと専門家は指摘しています。実際に亡くなった方の8割以上が建物等の倒壊による圧死や窒息死といわれています。 地震から身を守るには、自分の家が安全かどうかを知ることが大切です。阪神・淡路大震災以降、耐震診断や改修を費用面でサポートする自治体も増えています。建ててから歳月が経過した家屋の場合は、積極的に耐震診断を受けて、危険箇所があれば早めに改修しておきましょう。お住まいの市町村建築主務課、県建築指導課及び各土木事務所建築部に相談して、自分の家が安全かどうかを確かめてみましょう。インターネットでは簡易な耐震診断法も紹介されています。 [誰にでもできるわが家の耐震診断: http://www.kenchiku-bosai.or.jp/wagayare/wagayare.pdf] [地震に備えてマイホームの点検:
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/kentikusido/bousai/ ■家族防災会議をひらこう ■地震に強い家をつくろう 地震に備えよう! 東京湾内湾及び相模湾・三浦半島になります。 1)海岸近くで地震を感じたら直ちに避難 強い地震(震度4程度以上)や、長い時間の揺れを感じたら、直ちに海岸から離れ、急いで高台などの 安全な場所へ避難しましょう。 2)揺れが小さくても油断しない感じた揺れ(震度)と地震の規模(マグニチュード)は別です。 小さな揺れでも大きな津波になることもあるので、決して油断してはいけません。 3)津波は繰り返し襲ってきます 第1波よりも第2波、第3波の方が高くなることがあります。 荷物をとりに戻ったり、様子を見るために海岸へ近寄ってはいけません。 4)津波のスピードは津波の伝わる速さは時速数百kmにもなる場合があり、津波が見えてからでは逃げきれません。 5)正しい情報で冷静な行動をテレビやラジオ、防災無線などで正しい情報を入手し、冷 静な行動をとりましょう。 風水害に備えよう! (1) 風水害の基礎知識 大雨や台風はある程度まで規模や時期を予測することができますが、局地的な豪雨などで急激に状況が変わることがあります。油断することなく、異変を感じたらすぐに対応できるようにしましょう。 ●洪水災害 河川の流量が異常に増加することによって起こります。一般には、堤防の決壊や河川の水が氾濫することを洪水と呼びます。外水氾濫ともいいます。 ●浸水災害 河川の増水や高潮によって排水がはばまれたり、排水が追いつかず下水溝や用水溝などがあふれる災害。内水氾濫ともいいます。 ●土砂災害 1)がけ崩れ・山崩れ がけや山の斜面が急激に崩れ落ちる現象。地震によっても起こります。 こんな前ぶれが…がけからの水が濁る。がけから小石が落ちてくる。 2)土石流 谷や斜面にたまった土砂や岩石が一気に押し流される現象。破壊力が大きいので、広範囲に大きな被害が出ます。 こんな前ぶれが…山鳴りがする。雨が降り続いているのに川の水位が下がる。 3)地すべり 斜面の土壌が比較的ゆっくりと滑り落ちる現象。一度に広範囲で発生します。 こんな前ぶれが…地面にひび割れができる。がけや斜面から水が吹き出す。 ●注意報・警報とは 各地域の住民に注意を呼びかけ、災害による被害を最小限に食い止めることを目的に、注意報は災害が起こるおそれのあるときに、警報は重大な災害が起こるおそれのあるときに発表されます。 ●気象情報とは 気象情報は注意報や警報に先立って注意をうながしたり、注意報や警報が発表されたあとの補足や防災上の注意を解説する場合などに発表されます。 やや強い雨 ザーザーと降る。雨の音で話し声がよく聞き取れない。 強い雨 どしゃ降り。側溝や下水があふれ、小さながけ崩れが発生 激しい雨 バケツをひっくり返したような雨。がけ崩れが起こりやすい。 非常に激しい雨 滝のように降り、地下に水が流れ込む。土石流が起こりやすい。 猛烈な雨 大規模な災害が発生する恐れが強い。厳重な警戒が必要。
(気象庁による) 1時間雨量(ミリ) 予報用語 想定される被害 やや強い風 風に向かって歩きにくい。取り付け不完全な看板やトタン板が飛ぶ。 強い風 風に向かって歩けない。高速道路で通常速度での運転が困難。 非常に強い風 物につかまってしっかり立たないと転倒する。飛来物でガラスが割れる。 猛烈な風暴風 立っていられない。車の運転は危険。ブロック塀が壊れる。 暴風 屋根が飛ばされる。木造住宅の全壊が始まる。 (気象庁による) ■風の強さと被害 ■雨の強さと被害 ■気象注意報・警報・情報 ■大雨による主な災害 風水害に備えよう! (2) 大雨や台風から身を守るには 高潮、浸水被害、土砂災害などの被害を受けやすい場所を予測することができます。大雨や台風の際には、危険な場所には近づかないようにしましょう。 台風や豪雨のときには、正確な気象情報を収集し、早めに安全な場所に避難しましょう。降雨量が1時間に20ミリ以上、降り始めてから100ミリ以上になれば要注意です。注意報・警報が発表される基準は地域によって異なっています。日頃からお住まいの地域の地理的特徴や、よく出される予報、被害状況などをしっかりと頭に入れておき、いざというときに備えましょう。 こんな場合にも細心の注意を! ●アウトドア・ブームが招く危険 キャンプなどアウトドアでのレジャーは、自然の中で行うため、天候が悪化したときに思わぬ災害に巻き込まれる危険があります。県内でも1999年8月に、神奈川県山北町の玄倉川でキャンプ中の18人が濁流に巻き込まれ、13人が死亡するという痛ましい事故が発生しています。 ●川がなくても起こる都市型水害 都市部は、地面がアスファルトに覆われているため、大量の雨が集中して降ると、下水道の排水機能が追いつかず逆流するなど、川がなくても浸水が発生する場合があります。 最近では、地下空間の利用が増えていることから、地下街への浸水やビルの地下駐車場などへの浸水被害が発生しています。 <高潮> ●ゼロメートル地帯 海岸近くのゼロメートル地帯(平均満潮面以下の土地)は要注意です。高潮によって浸水の被害を被る可能性が大です。 ●海岸地帯 満潮の頃、台風が接近すると高潮は猛威をふるいます。特に、低い土地では厳重な警戒が必要です。 <浸水災害> ●河川敷 昔、河川敷だったところや河川流域は、豪雨によって浸水する危険性があります。 <土砂災害> ●造成地 地質・地形が不安定なので、豪雨によって地盤がゆるみ、崩れる危険性があります。水抜き穴から濁り水が出始めたら要注意です。 ●扇状地 豪雨によって山崩れが起こると土石流が扇状地を直撃します。避難の準備は早めにしてください。 ●山岳地帯 山崩れは集中豪雨ばかりでなく地震によっても発生するので、日頃から注意してください。特に、樹木の少ない山間部では土石流に要注意です。 大雨などのときの避難5か条
1)動きやすく安全な服装を心がけてください。靴はひもでしめられる運動靴にしましょう。 2)足元に十分注意してください。長い棒を杖がわりにして安全を確認しましょう。 3)避難するときは2人以上が原則です。ロープでお互いを結んで避難しましょう。 4)水の深さに注意してください。水深が腰まであるようなら無理せず救援を待ちましょう。 5)高齢者は背負ったり、子供には浮袋をつけさせたりして安全を確保しましょう。 ■風水害の被害を受けやすい危険な場所地域で災害に備えよう! (1) まちを自ら守るには 大地震が発生したとき、建物の倒壊、火災の発生、水道や消火設備、道路の損壊などの被害が広範囲におよぶことが予想され、残念ながら市町村や消防などの機関だけの対応にはおのずと限界があります。そうしたときに大きな力を発揮するのが、地域での活動です。 阪神・淡路大震災のときも、「壊れた家の下敷きになったが、近所の人たちによって救出された」という例が少なくありませんでした。いざというときに力を発揮できるように、日頃から地域のみんなで防災活動に取り組むことが、「皆のまちは、皆で守る」ことのできる災害に強いまちづくりの第一歩です。 自主防災組織とは、住民自身が自発的につくる防災のための組織です。地域外に勤めている人が多く、日中は専業主婦や学生が主体の地域と商店街のように日中も事業主が在宅することの多い地域では、その担い手は異なります。 現実に地震が起きたときに活動できるように、地域の実情あった自主防災組織をつくりましょう。 地域での防災活動は大切とは分かっていても、防災講習会や防災訓練という名前では参加してもらえないのが実情です。運動会での種目として消火器による消火競争や担架での運搬競争、親子サバイバル・キャンプなど楽しめるイベントを考えてみてはいかがでしょうか。 ●情報の収集・伝達 的確な対策をとるために被害状況や火災の発生状況をとりまとめるとともに、防災機関からの災害に関する正しい 情報を住民に伝えます。 ●初期消火 出火防止のための活動や消防署、消防団がくるまでの間の初期消火を行ないます。拡大して危険になった場合には、活動を中止して避難しましょう。 ●救出・救助活動 大地震のときには消防や救急が十分に活動できないおそれがあります。防災資機材を活用して、周囲の人と協力して、下敷きになった人の救出・救助活動を行ないましょう。 負傷者には応急手当をして、救護所へ搬送しましょう。 ●避難誘導活動 避難の勧告や指示は、お住まいの市町村長から出されることになっていますので、正確 な情報に基づいて誘導しましょう。災害の状況によっては、避難経路が変わりますので、 お互いに助け合って全員がまとまって避難場所まで避難を。 [発災時の活動は] ●防災知識の普及 住民全員が防災に関する正確な知識を持つことができるように、みんなが楽しんで参加できる催しなどを開催し、継続的に防災知識の普及を行っていくことが大事です。 ●危険箇所の点検 発災時に被害の発生や拡大の原因となるようなものは日頃から点検しておくことが必要です。 ストーブなどの器具の点検を行うとともに、お住まいの地域の危険箇所を確認しておきましょう。 ●防災資機材の整備 地域の実情に応じて、災害時に活動するために必要な機材を準備して町内会館や集会所に防災倉庫を設けて保管しておきましょう。※ 《主な資機材》 ハンドマイク、携帯ラジオ、消火器、ヘルメット、はしご、ロープ、ス コップ、ジャッキ、電動ノコギリ、担架、救急セット、テント、毛布、シ ート、発電機、夜間投光器、非常食糧、炊飯道具など ●防災訓練の実施 いざというときに的確な行動を起こすためには、訓練を繰り返し行い、その行動を身につける必要があります。お住まいの市町村、地域、消防署などの訓練に積極的に参加しましょう。 [平常時の活動は] ※防災資機材の整備等にあたっては、お住まいの市町村の防災関係課にご相談ください。 ■自主防災組織とは 事業活動の再開に向けて 事前にどんなに準備をしたとしても、建物が損壊したり、従業員が負傷したり、受注の減少や運転資金の不足など、被災の程度によって事業再開は大変ではないかと思います。 そうした不測の事態が発生したとき、できるだけ短時間で通常業務に復帰できるようにするため、バックアップシステムの整備、バックアップオフィスの確保、要員の確保、安否確認の迅速化などの方針(業務継続計画)を定めておくことが有効であるといわれています。さらに、非常時の飲料水や食料、緊急医薬品、携帯ラジオ、ヘルメット等の非常用品を備蓄するとともに、防災訓練を行って万一の場合に備えましょう。 過去の災害の事例をみると、国や自治体などで被災に応じた優遇特例措置が実施されます。被災した場合には業界団体やお住まいの市町村にぜひお問い合わせください。 阪神・淡路大震災では、多くの事業所が建物に被害を受けたり、従業員が負傷したりしました。事業所(企業)は、業務継続のためにすみやかに事業活動を再開することが大切になりますが、事業所は地域の構成員でもあり、可能な範囲での地域貢献を行うことが求められています。 (2) 事業所を自ら守るには わずかな備えでも、大地震のときの被害が大きくなることを食い止めることができます。 1)事業所の建物などの耐震診断と補強・改善 ・建物を倒壊から防ぐとともに、看板や塀などの危険箇所の安全を確認しましょう。 ・エレベーターの耐震化や救出対策といった安全対策をとっておきましょう。 2)避難通路の確保 ・避難のため、通路や出入口には必要以上に材料や製品を置かないようにしましょう。 3)パソコンや書類棚など事務機器の転倒防止 ・図面、取引先や顧客の情報、経理などのデータは、バックアップをしておけば、現状復旧が可能です。定期的にバックアップをとって耐火金庫等に保管しておきましょう。 ・重要書類や重要物はまとめて保管し、すぐ持ち出せるようにしましょう。 4)危険物管理や生産設備の防護対策 ・危険物の転倒、液もれ、引火等がないような保管方法を確認しましょう。 ・重機械などの生産設備が転倒・移動しないよう壁や床に固定するとともに、必要に応じて緊急停止 できるようにしましょう。 5)事業所内のライフライン設備の耐震化 ・事業所機能を支える電気設備をはじめとした設備の耐震性について考えておく必要があります。 ・通信手段の確保を図るため、蓄電池や自家発電設備等を備えておくことも有効です。 また、災害時の通信には電話だけでなく無線など多種類の通信手段を確保しておくとよいでしょう。 6)共用施設の使用マニュアルの検討・作成 ・共同ビルに入居している場合には、ビルの管理会社やテナント相互間で役割を明らかにし、対策をたてておくことが必要です。 ■事業所内外の安全対策を地震に備えよう 覚えておこう! 災害伝言ダイヤルサービス ●伝言を登録する場合 「171」をダイヤルし、聞こえてくるガイダンスに従い「1」をダイヤルします。次に自分の安否について家族や知人から聞いてこられる可能性の最も高い電話番号(例えば自宅の電話番号)を市外局番から順にダイヤルし、ガイダンスに従って安否等のメッセージを録音してください。
●伝言を再生する場合 「171」をダイヤルし、聞こえてくるガイダンスに従い「2」をダイヤルします。次に連絡を取りたい相手先の電話番号(自宅の場合は自宅の電話番号)を市外局番から順にダイヤルしてください。 大地震が発生したとき、家族の安否を確認しようとしても、一般の電話や携帯電話は使えないと考えた方がよいでしょう。震度6弱以上でサービスが開始される災害用伝言ダイヤル「171」(詳しくは上記コラムをご覧ください)や携帯電話の災害用伝言版を利用することをお勧めします。 ● 災害が発生し、又は発生するおそれがある場合に、市町村長は居住者、滞在者に対して避難勧告、避難指示を出すことができます。 ● しかし、避難勧告などが発令されなくても、自ら危険が迫っていると判断される場合には自主避難をしましょう! ● 特に、大雨の時、地震後の二次災害が予想される時には、市町村長からの避難勧告等が間に合わないこともありますので、ご自身や自主防災組織等で適切に判断して避難しましょう。 ● 市町村の防災パンフレットを参考に避難袋等を用意しておきましょう。 ● 通勤、通学で家族が離れ離れになった場合の連絡方法、待ち合わせ場所を家族防災会議で決めておきましょう。 ● 災害時には一般電話や携帯電話は通じにくくなります。災害時優先電話である公衆電話を使用するか、災害用伝言ダイヤル(171)、携帯電話の災害用伝言板を使用しましょう。 ● 避難地、避難場所は、家族や自主防災組織で確認しておきましょう。 避難所で生活するのは大変不自由なことです。ストレスや過労から体調を崩してしまうこともあります。 支援してくれる医師や看護師といった専門家やボランティアの協力を得て、避難者同士が助け合って避難所を運営し、一人ひとりの心身の健康を保つよう努めましょう。 ■避難所生活心得 1)避難所は市町村が指定している場所に設営されます。 2)リーダーを選任しましょう。(できる限り事前に決めておきましょう) 3)避難者同士で相談して、食事、トイレ掃除、水汲みなど作業分担を決め、掲示板等により全員に徹底しましょう。 4)ボランティアに任せきりにしないようにしましょう。 5)高齢者の方々や子どものスペースや食事を優先しましょう。 6)着替えスペースなどプライバシーの確保にも努めましょう。 ■避難勧告・指示は市町村長が発令します ■家族の連絡方法、待ち合わせ場所を決めておきましょう 災害が起きたら 14 震災時には、建物の倒壊や家具等の転倒により多数の負傷者が発生し、医療機関も同様に被災することから、医師による治療が受けられるとは限りません。そういう場合には、応急手当をして、市町村が開設する救護所に運びましょう。 このような事態に対応するため、神奈川県では、医療品・医療資機材の備蓄をしているほか、救護班を派遣するなど被災者の医療救護体制を定めています。災害時に負傷者の受入れ、救護班の派遣など医療救護活動の中心的な役割を担う施設として、災害時医療拠点病院30か所を指定しています。 (2) ケガをしたときは 災害発生時には、だれもが「自らの身は、自ら守る」という意識で行動をとることが必要です。しかし、高齢者や心身に障害のある人、外国人など何らかの手助けが必要な人(災害時要援護者)にとっては、必ずしもそれは簡単なことではありません。行政や地域が協力して支援することが必要です。 県では、地域の実情に応じた災害時要援護者の支援体制を整備するため、「災害時における要援護者支援マニュアル作成指針」を作成しています。お住まいの市町村で作成しているマニュアルを確認してみましょう。また、日頃から地域住民同士でコミュニケーションを築いておくことも大切です。 (3) 高齢者、障害者が安全に避難するには ●高齢者や傷病者などには複数の人で対応しましょう。緊急のときはおぶるなどして避難します。 ●目の不自由な方の場合には、杖を持つ手と反対のひじのあたりに軽くふれ、階段など障害物の説明をしながらゆっくり歩きましょう。耳が不自由な方の場合は、口を大きく動かしゆっくり話したり、身ぶりや筆談などで正確な情報を伝えましょう。 ●言葉の通じない外国人の場合は、身ぶり手ぶりで話かけ孤立させないようにしましょう。 (平成17年1月1日現在) ● 避難地、避難場所は、家族や自主防災組織で確認しておきましょう 医療圏 災害時医療拠点病院 川崎北部 聖マリアンナ医科大学病院、帝京大学医学部附属溝口病院 川崎南部 川崎市立川崎病院、関東労災病院 横須賀三浦 横須賀共済病院、横須賀市立市民病院 湘南東部藤 沢市民病院、茅ヶ崎市立病院 湘南西部 海大学医学部付属病院、平塚市民病院、秦野赤十字病院 県央 厚木市立病院、大和市立病院 県北 北里大学病院、相模原協同病院、津久井赤十字病院 県西県立足柄上病院、小田原市立病院 横浜北部 昭和大学藤が丘病院、横浜労災病院、昭和大学横浜市北部病院 横浜西部 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院、けいゆう病院、横浜市立市民病院 国立病院機構横浜医療センター 横浜南部 横浜市立大学医学部附属病院、横浜南共済病院、横浜市立港湾病院 ■避難誘導のポイント 帰宅困難者心得10か条 もし、通勤・通学・買物中に突然の大地震に見舞われてしまい、交通機関がマヒしてしまった場合、自宅まで帰ることが難しい…つまり帰宅が困難な方々のことを帰宅困難者といいます。外出中に大地震が起きたときは、どうしたらよいか常日頃から考えておきましょう。 また、徒歩で帰宅する場合には、ガソリンスタンドや郵便局、公立施設で水やトイレ等の提供を受けることができます。 @あわてず騒がず状況確認、A携帯ラジオをポケットに、Bつくっておこう帰宅地図、C ロッカー開けたらスニーカー、D机の中にチョコかキャラメル、E事前に家族で話し合いF安否確認(災害用伝言ダイヤルの活用など)、G歩いて帰る訓練を、H季節に応じた冷暖準備(カイロ、カッパなど)、I声を掛け合い助け合おう災害が起きたら 大地震の発生を予測することを予知といいます。気象予報とは異なり、地震を予知する方程式は確立していません。ただし、東海地震だけは観測網を密にして、観測データの変化から発生を予知しようとしており、観測データに明らかな変化が表われた場合には、東海地震に関連する情報が発せられることになっています。 東海地震は、これまで100年から150年周期で、ほぼ同じ場所で同じ規模の地震が繰り返し発生していることが知られていますが、1854年の安政東海地震以来、150年間地震が発生していません。そのため、いつ地震が起きてもおかしくないといわれています。そこで、東海地震が発生した場合に震度が6弱以上となる地域を、「地震防災対策強化地域」に指定しています。神奈川県は、県西部地域の8市11町が指定されています。 (1) 地震防災対策強化地域 東海地域の観測データに明らかな変化が表われた場合には、国から「東海地震に関連す る情報」が発表されます。これらの情報は、県や市町村のほか、テレビ、ラジオ等を通じ て県民に伝えられます。 (2) 東海地震に関連する情報東海地震の防災対策 厚木市 伊勢原市 秦野市
平塚市 大磯町 中井町 山北町 南足柄市 小田原市 箱根町 開成町 大井町 真鶴町 湯河原町 海老名市 茅ヶ崎市 寒川町 二宮町 松田町 地震防災対策強化地域情報名 主な対応 東海地震観測情報 観測された現象が東海地震の前兆現象であると直ちに判断できない場合に発表 東海地震注意情報 観測された現象が前兆現象である可能性が高まった場合に発表 東海地震予知情報 東海地震の発生のおそれがあると判断した場合に発表 ○国や県・市町村では情報収集体制をとる。 ○県民の方々はテレビ、ラジオ等の情報に注意(普段どおりの生活を維持)。 ○県では「東海地震注意情報時対策本部」を設置。 ○気象庁では、東海地震の発生の可能性について検討する「地震防災対策強化地域判定会」 を開催。 ○児童・生徒等の帰宅、自衛隊や消防機関等の派遣等の準備。 ○県民の方々はテレビ、ラジオ等の情報に注意し、県・市町村の指示に従って行動。 ○内閣総理大臣から「警戒宣言」の発令。 ○県、地震防災対策強化地域内市町では「地震災害警戒本部」を設置。 ○津波やがけ崩れの危険地域からの避難、交通規制の実施、鉄道等の運行中止。 東海地震の防災対策 強化地域内(平塚市、小田原市、茅ヶ崎市、秦野市、厚木市、伊勢原市、海老名市、南 足柄市、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、 真鶴町、湯河原町)では、運行は中止されます。 強化地域外では、それぞれの線路の実情を踏まえて可能な限り運行を継続します。 東海地震注意情報が発表された段階で、強化地域内外をとわず、交通機関を利用する児童・生徒については、状況に応じて保護者へ引き渡し、あるいは帰宅させます。留守家庭等で帰宅できない児童・生徒については、状況を判断して学校等が保護します。 耐震性が確保されているデパート、スーパーマーケットについては営業を継続できるものとします。生活必需物資を扱う小規模小売店はできるだけ営業を継続するよう努めます。 東海地震の発生のおそれがあると判断された場合には、内閣総理大臣から警戒宣言が発 令されます。被害を極力少なくするため、国、地方自治体、住民、企業は事前に定めてい る防災計画に従って行動する必要があります。 現在、警戒宣言が発せられる可能性があるのは、観測網が整備されている東海地震だけ です。 警戒宣言発令時には、交通の混乱と交通事故の発生を防止し、地域住民の円滑な避難、 緊急輸送を円滑に行うため、交通規制を行います。概ね相模川以西が通行禁止区域(車両 通行が原則として禁止される地域)となり、概ね相模川以東が、通行制限区域(通行禁止 区域内方向への車両通行が抑制される地域)となります。 みんなが車を使って避難すると、道路が渋滞して、消防車や救急車などの緊急車両や避 難する人たちのジャマになってしまいます。山間部などでどうしても車で避難しなければ
ならない場合を除いて、徒歩で避難するようにしましょう。 (3)交通規制は 救助や消火活動など応急対策のために、防災拠点や主要都市を連絡する国道などを緊急 交通路に選定(県内54路線)しています。東海地震の警戒宣言発令時に、必要に応じて緊 急交通路に指定されると、一般の車両は通行できない場合があります。 また、復旧活動のための資材や要員、車両などの輸送のため、緊急輸送路を指定してい ます。橋やトンネル、歩道橋などの点検・補強を優先的に進めているほか、これらの道路 の被災に対応できるよう応急復旧用の資材を備蓄しています。 ●東海地震の警戒宣言が発令されたら● バスは 鉄道は 学校では デパート等不特定多数の出入りがある施設では 出典:神奈川県県土整備部道路管理課「神奈川の緊急輸送道路 いのちと暮らしを守る輸送 ネットワーク」(平成15年3月) JR ■交通規制 ■緊急交通路・緊急輸送路 東海地震の防災対策 (4) 警戒宣言時の心得 1)冷静な行動をとること 2)ラジオ・テレビの情報に注意すること・市町村や自主防災組織からの情報も確認。・デマには惑わされないように。 3)火を出さない対策をとること・できるだけ火を使わない、必要のない電気器具の コンセントを抜く、引火の恐れのあるものは安全な場所に移動させるなど。 4)家具等屋内重量物の転倒防止措置をとること 5)当座の飲料水、食料品等の持ち出しの準備をすること 6)自動車による移動を自粛すること 7)避難対象地区として市町村から指定された地区以外は避難行動を行わず、耐震性が確保された自宅での待機等安全な場所で行動すること 8)津波や山・がけ崩れなどの危険地域の住民は、素早く避難 9)電話の使用は自粛すること 10)児童・生徒の引き取りは計画に従って・引き取りの計画を学校ごとに作成するので、日頃から学校と連絡をとりあうことが大切。 12)身軽な服装に着替える・活動しやすい服や靴にする。・頭を保護する防災ずきんなどをかぶる。 13)高齢者、子ども、病人などの事前避難は屋内で・避難地で運営する避難生活は、原則として屋外です。ただし、災害時要援護者の保護のために、指定された施設内において避難生活を送れるものとします。 ■警戒宣言が発せられた場合の対応 東海地震の発生のおそれがあると判断され、警戒宣言が発せられた場合、地震防災対策強化地域(16頁を参照)内での鉄道やバスの運休など事前の防災措置を実施することになります。それに伴い、各地で混乱が生じることが予想されます。駅や道路には、帰宅を急ごうとする人があふれ、回線の混雑により電話がつながりにくくなるといった事態が生じることが考えられます。まず、一人ひとりの心得としては、国や県、市町村などの防災関係機関からの正確な情報を入手し、自分の身の周りはどうなるのか、冷静に社会の動きをよく把握して、素早く安全に行動することが大切です。 東海地震の防災対策 富士山は、有史以来確かな記録だけでも10回の噴火が確認されている活火山ですが、1707年の宝永の大噴火から噴火記録がありません。将来噴火することも考えられますので、活火山であることを認識して、火山情報が発表された場合には、情報に注意しましょう。 富士山の噴火による神奈川県内への影響は、噴石、溶岩、火砕流など直接的なものは想定されませんが、降灰による影響が考えられます。
箱根火山は、約3千年前に神山の北西斜面で水蒸気爆発が起こり、これがもとで、この後芦ノ湖・仙石原・大涌谷が形成されました。現在も大涌谷で噴気が上がり、山麓に温泉の恵みを与える活火山です。 数百年に一度程度水蒸気爆発が発生する可能性があり、箱根町では火山防災マップを作成して住民、観光客に啓発を行っています。 6火山の防災対策 出典:箱根町火山防災マップ [箱根火山の詳細: http://www.town.hakone.kanagawa.jp/hakone_j/kurashi/iza/kazanmapindex.htm] [富士山が大規模な噴火が発生した場合の降灰深(cm)の想定] 出典:富士山ハザードマップ検討委員会「富士山火山防災マップ」 [富士山ハザードマップの詳細:http://www.bousai.go.jp/fujisan-kyougikai/] 土石流の可能性 木造家屋の倒壊のおそれ ■富士山 ■箱根火山 すぐに危険にはなりませんが、火口位置によっては避難が必要な範囲です。公的機関から出される避難情報に注意してください。また、避難に時間のかかる人(お年寄りや入院患者等)は早めに避難してください。(溶岩が流れ続けた場合に、1日くらいで到達するかもしれない範囲を示しています)雪が積もっている時に噴火しそうになった場合に、沢や川に近寄らないようにする必要がある範囲です。 (積もった雪が火砕流により溶かされた場合、発生した泥流が沢や川沿いであふれるおそれのある範囲を示しています)火口ができる可能性の高い範囲 地震や風水害の予測は困難です。だからこそ、日頃の防災対策が必要です。その第1歩は、住んでいる地域における地震、崖崩れ、津波、洪水などの危険に関する情報を知ることです。そうした情報を知るには、お住まいの市町村の防災関係課に問い合わせてみることが有効です。 8防災についてもっと知ろう! 神奈川県(防災のページ) 防災・危機管理eカレッジ 防災情報のページ(内閣府防災担当のページ) 消防庁 気象庁 地震調査研究推進本部 一次持出品 二次持出品 非常持出品を準備しよう! いざというときに、ただちに避難するために、日ごろから非常持出品を常備しておきましょう。 ◆避難するとき最初に持ち出すもの。 ◆あまり欲張りすぎないことが大切です。 男性15kg、女性10kg程度が目安です。 現金(公衆電話用の10円硬貨があると便利)、通帳類、証書類、身分証明書、 健康保険証、免許証、印鑑など。 小型で軽く、FMとAMの両方聴けるものを用意。予備電池も多めに用意する できれば一人にひとつ用意。予備の電池と電球も用意する。 ばんそうこう、ガーゼ、包帯、消毒薬、解熱剤、胃腸薬、風邪薬、鎮痛剤、とげ抜きなど。 ※持病のある人は常備薬も忘れずに! カンパンや缶詰など火を通さないでも食べられるもの、水、水筒、紙皿、コップ、ナイフ、缶切り、栓抜きなど。 下着、上着、靴下、ハンカチ、タオル、ティッシュペーパー、ビニールシートなど。 ※乳幼児のいる場合…ミルク、ほ乳ビン、おむつ、バスタオルなど ※要介護者のいる場合…着替え、おむつ、障害者手帳、常備薬など 貴重品
携帯ラジオ 懐中電灯 救急薬品 非常食料・水 その他 そのまま食べられるか、簡単な調理で食べられるもの。缶詰やレトルト食品、切りもち、チョコレート、梅干し、チーズ、調味料など。 飲料水は大人一人当たり1日3gが目安。飲料水以外に炊事、洗濯、トイレなどに使う生活用水の確保のため、風呂の水は抜かず、寝る前はポットややかんに水をいれておく。 卓上コンロ、固形燃料や予備のガスボンベは多めに用意を。アウトドア用の携帯コンロも便利。その他洗面具、生理用品、ビニール袋、キッチン用ラップ、新聞紙など。 食 料水燃料・その他 ◆災害復旧までの数日間を自活するためのもの。 ◆最低でも3日分、できれば5日分を用意しておきましょう。 神奈川県安全防災局災害消防課 横浜市中区日本大通1(〒231‐8588) 電話045‐210‐1111(代表)
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戻る | 新潟県中越地震やスマトラ島沖地震、台風や大雨による土砂災害など日本各地や世界 で大きな災害が相ついで発生しています。神奈川県でも、東海地震や県西部地震などの 地震はいつ起きてもおかしくないとされています。 地震、津波、集中豪雨、火山噴火といった自然災害は、いつどこで発生するのか予測す ることは難しく、また我々の力でとめることもできません。みなさんは、お住まいの地域 にどのような危険が潜んでいるかを知っていますか。また、万が一のときに備え、具体的 な対策を講じているでしょうか。 防災対策の必要性には分かっていても、「何をすればいいのか分からない」「忙しくて 時間がない」「いつ起こるか分からない災害に備えるのは面倒だ」「大地震が起きたら、 どんな備えをしても無駄になる」という気持ちになることもあるでしょう。しかし、事前 に防災対策を行っていれば、いざ災害が発生したときには被害が確実に軽減するといわれ ています。 この冊子は、災害が起こってから慌てるのではなく、神奈川県にどのような危険がある のか、災害に備えるにはどうしたらいいのかをまとめたものです。防災について考えたり、 ご家庭や地域での防災対策を取り組むきっかけとしてご利用いただければ幸いです。 1地震に備えよう! (1) 地震の基礎知識 地球の表面は、十数枚のプレート(厚さ数10kmの岩盤)で覆われています。それらの プレートは、それぞれが違う方向に、年間数cmの速度で移動しています。プレートの境 界では、大陸のプレートの下に海のプレートが沈み込んでいます。海のプレートが沈み込 む境界にできた溝が海溝やトラフです。地震はプレートの境界で主に発生するといわれて います。日本列島は、大陸のプレートであるユーラシアプレートや北米プレートと海のプ レートである太平洋プレートやフィリピン海プレートの境界にあるため、太平洋側の海底 には、いくつもの海溝やトラフが連なっています。 地震は、プレートの境界で起こる「プレート境界型地震」とプレート内で起こる「内陸 型地震」の主に2つに分けられます。 海のプレートが年数cmの割合で、大陸のプレートの方へ移動し、その下に潜り込みま す。やがて、大陸のプレートの先端が引きずり込まれ、ひずみが蓄積します。そのひずみ が限界に達したとき、大陸のプレートが跳ね上がり、地震が発生するとともに、津波も発 生します。これがプレート境界型地震です。 海のプレートの動きは、陸のプレート自体も圧迫し、内陸部の岩盤に少しずつ歪みが蓄 積されていきます。これが限界に達したとき、地下の岩盤の弱い部分で破壊によるずれが 起こります。こうして起きるのが、内陸型地震です。内陸型地震のうち同じ場所で繰り返 し、地表に断層を現わしているものを活断層型地震といいます。 内陸型地震は、一般にプレート境界型地震に比べ規模が小さいのですが、地下の浅いと ころで発生するため大きな災害をもたらします。 ○1 地震のしくみ 〈日本周辺プレート〉 地震調査研究推進本部「地震発生のメカニズムを探る」から引用プレート境界型地震の発 生の仕組み ■プレート境界型地震 ■内陸型地震 地震はプレートの運動によって起こりますが、神奈川県周辺には、フィリピン海プレー ト、太平洋プレート、北米プレートという3つのプレートが集中しているため、多くの地震 の発生が指摘されています。その中には、プレート境界型地震もあれば、内陸型地震もあ ります。 神奈川県には、11の主な活断層があり、東海地震や神奈川県西部地震などの発生の切迫 性が指摘されています。残念ながら、県内には絶対に安全なところはないというのが現実 です。しかし、事前策を行うことで被害は軽減しますので、日頃からの防災対策が大切で
す。 神奈川県の地震と活断層 神奈川県に影響を与える地震には、次のようなものがあります。 ■神奈川県で想定される地震 ある地層面を境にして、両側の地層にずれが見られる地質構造のことを「断層」といい ますが、その中でも、過去数十万年の間繰り返し活動し、将来も活動する可能性のある断 層のことを「活断層」といいます。県内には、活断層が約30本存在していますが、そのう ち活動度の高いA級活断層及び主要起震断層は11本となっています。県内にある活断層の 概要は以下のとおりです。 ■神奈川県内の活断層ある100年〜200年先 東海地震 南関東地震(大正関東地震の再来型) 南関東地域直下の地震 神奈川県西部地震 神縄・国府津−松田断層帯 三浦半島北断層群 それ以降約300〜2050年前断層名 最新活動 再来間隔 切迫性地震名 マグニチュード 地震 のタイプ 切迫性 @伊勢原断層(B級)A秦野断層(A級)B渋沢断層(A級)C衣笠断層(A級)D北武 断層(A級)E武山断層(A級)F引橋断層(A級)三浦半島北断層群G神縄・国府津− 松田断層帯(A級)三浦半島南断層群(南下浦断層)H平山断層(A級)I小向断層A 級)J生沢断層系(A級)I小向断層(A級) ※A級活断層:1000年あたり平均1mから10mの変位速度(ずれの量)のある活断層主要起 震断層:B級活断層(変位速度が0.1m〜1m/1000年)以上でマグニチュード7以上(長さ が20km以上)の活断層 県内に影響を与える5つの想定地震について、地震被害の想定は以下のとおりです。 ○ 地震被害の想定 液状化しやすい埋立地などにある建物であっても、過去の事例では、硬い地盤まで杭を 到達させ、杭と建物とが緊密に固定されている建物では被害をまぬがれたといわれていま す。お住まいの建物の設計・構造について、施行業者や専門家に確認・相談されることを お勧めします。 地震の揺れと被害 ■震度と被害規模 震度は、地震動の強さの程度を表すもので、震度計を用いて観測します。ある地点が実 際にどう揺れるかは、地震のエネルギー規模だけでなく、震源からその地点までの距離、 地盤条件などに左右されます。 ■マグニチュードと震度の関係 マグニチュードは、地震のエネルギー規模を表す単位で、マグニチュードが1大きくな るとエネルギー規模は約32倍になります。 マグニチュードと震度の関係は、電球の明るさと机の上の明るさとの関係にたとえられ ます。同じ電球からの光でも、机がどのくらい離れているかで、机の上の明るさは変わっ てきます。 このように、マグニチュードの値が同じ地震であっても、震源が遠ければ震度は小さく、 震源が近ければ震度は大きくなります。 ●震度0人は揺れを感じない。 ●震度1屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。 ●震度2室内にいる人の多くが、揺れを感じる。つり下がっている電灯などがわずかに揺 れる。 ●震度3屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じている。 棚の食器が音を立てることがある。 ●震度4眠っている人のほとんどが目を覚まし、部屋の不安定な置物が倒れる。 ●震度5弱家具の移動や、食器や本が落ちたり、窓ガラス が割れることとがある。
●震度5強タンスなど重い家具や、外では自動販売機が倒れることがある。自動車の運転 は困難。 ●震度6弱立っていることが難しい。壁のタイルや窓ガラスが壊れ、ドアが開かなくなる。 ●震度6強立っていられず、はわないと動くことができない。重い家具のほとんどが倒れ、 戸がはずれて飛ぶ。 ●震度7自分の意志で行動できない。大きな地割れや地すべり、山崩れが発生する。 (気象庁震度階級関連解説表による) 日本全国には分かっているだけで約2,000の活断層があり、どこにいても地震への備えが 必要です。 被災しない準備としては、住宅の耐震化と家具の固定が重要な対策です。とくに、寝てい る間は無防備なので、家具の配置を工夫したり、転倒防止策をとりましょう。 いざというときに備えて、家族で身を守る方法を話し合っておきましょう。 1)一人ひとりの役割分担 ・日常の予防対策上の役割と地震発生時の役割の両方について決めておく ・お年寄りや乳幼児などがいる場合は、だれが助けるのかを決めておく 2)危険箇所のチェック ・ブロック塀や門柱をチェック、老朽化したものや問題がある場合は補強する ・屋根瓦やアンテナをチェック、危険なものは修理・交換する ・ベランダの植木鉢などは落下しないように固定する ・プロパンガスのボンベは鎖でしっかり固定する 3)安全な空間を確保 ・家の中に家具のない安全なスペースを確保する ・出入り口や通路には物を置かない ・家具の転倒や落下を防ぐ対策をとる ・寝室などには大型の家具を置かない 4)非常持出品のチェック ・必要な品がそろっているかをチェック ・定期的に保存状態や使用期限を点検し、必要に応じて交換する 5)防災用具などの確認 ・消火器や救急箱の置き場所を確認しておく ・消火器の使い方、応急手当の方法を覚えておく 6)連絡方法や避難場所の確認 ・家族が離ればなれになったときの連絡方法や避難場所を確認しておく ・休日等を利用し、避難経路の下見をしておく (2) 地震から身を守るには 阪神・淡路大震災のとき、人々がどういう行動をとったのかについてのアンケート (「阪神・淡路大震災における消防活動の記録」神戸市消防局編)によりますと、「何も できなかった」と回答した人が39.5%にのぼっています。いざというときにあわてないよ うに、家族みんなでどうしたらいいのか話し合っておきましょう。 阪神・淡路大震災では、築30年以上の老朽化した家屋、重い屋根の家屋、筋かいの少な い家屋、窓などの開口部が多く、壁の量の少ない木造家屋の倒壊が多かったと専門家は指 摘しています。実際に亡くなった方の8割以上が建物等の倒壊による圧死や窒息死といわれ ています。 地震から身を守るには、自分の家が安全かどうかを知ることが大切です。阪神・淡路大 震災以降、耐震診断や改修を費用面でサポートする自治体も増えています。建ててから歳 月が経過した家屋の場合は、積極的に耐震診断を受けて、危険箇所があれば早めに改修し ておきましょう。お住まいの市町村建築主務課、県建築指導課及び各土木事務所建築部に 相談して、自分の家が安全かどうかを確かめてみましょう。インターネットでは簡易な耐 震診断法も紹介されています。 [誰にでもできるわが家の耐震診断: http://www.kenchiku-bosai.or.jp/wagayare/wagayare.pdf] [地震に備えてマイホームの点検:
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/kentikusido/bousai/ ■家族防災会議をひらこう ■地震に強い家をつくろう 地震に備えよう! 東京湾内湾及び相模湾・三浦半島になります。 1)海岸近くで地震を感じたら直ちに避難 強い地震(震度4程度以上)や、長い時間の揺れを感じたら、直ちに海岸から離れ、急い で高台などの 安全な場所へ避難しましょう。 2)揺れが小さくても油断しない感じた揺れ(震度)と地震の規模(マグニチュード)は 別です。 小さな揺れでも大きな津波になることもあるので、決して油断してはいけません。 3)津波は繰り返し襲ってきます 第1波よりも第2波、第3波の方が高くなることがあります。 荷物をとりに戻ったり、様子を見るために海岸へ近寄ってはいけません。 4)津波のスピードは津波の伝わる速さは時速数百kmにもなる場合があり、津波が見え てからでは逃げきれません。 5)正しい情報で冷静な行動をテレビやラジオ、防災無線などで正しい情報を入手し、冷 静な行動をとりましょう。 風水害に備えよう! (1) 風水害の基礎知識 大雨や台風はある程度まで規模や時期を予測することができますが、局地的な豪雨などで 急激に状況が変わることがあります。油断することなく、異変を感じたらすぐに対応でき るようにしましょう。 ●洪水災害 河川の流量が異常に増加することによって起こります。一般には、堤防の決壊や河川の水 が氾濫することを洪水と呼びます。外水氾濫ともいいます。 ●浸水災害 河川の増水や高潮によって排水がはばまれたり、排水が追いつかず下水溝や用水溝などが あふれる災害。内水氾濫ともいいます。 ●土砂災害 1)がけ崩れ・山崩れ がけや山の斜面が急激に崩れ落ちる現象。地震によっても起こります。 こんな前ぶれが…がけからの水が濁る。がけから小石が落ちてくる。 2)土石流 谷や斜面にたまった土砂や岩石が一気に押し流される現象。破壊力が大きいので、広範囲 に大きな被害が出ます。 こんな前ぶれが…山鳴りがする。雨が降り続いているのに川の水位が下がる。 3)地すべり 斜面の土壌が比較的ゆっくりと滑り落ちる現象。一度に広範囲で発生します。 こんな前ぶれが…地面にひび割れができる。がけや斜面から水が吹き出す。 ●注意報・警報とは 各地域の住民に注意を呼びかけ、災害による被害を最小限に食い止めることを目的に、 注意報は災害が起こるおそれのあるときに、警報は重大な災害が起こるおそれのあるとき に発表されます。 ●気象情報とは 気象情報は注意報や警報に先立って注意をうながしたり、注意報や警報が発表されたあ との補足や防災上の注意を解説する場合などに発表されます。 やや強い雨 ザーザーと降る。雨の音で話し声がよく聞き取れない。 強い雨 どしゃ降り。側溝や下水があふれ、小さながけ崩れが発生 激しい雨 バケツをひっくり返したような雨。がけ崩れが起こりやすい。 非常に激しい雨 滝のように降り、地下に水が流れ込む。土石流が起こりやすい。 猛烈な雨 大規模な災害が発生する恐れが強い。厳重な警戒が必要。
(気象庁による) 1時間雨量(ミリ) 予報用語 想定される被害 やや強い風 風に向かって歩きにくい。取り付け不完全な看板やトタン板が飛ぶ。 強い風 風に向かって歩けない。高速道路で通常速度での運転が困難。 非常に強い風 物につかまってしっかり立たないと転倒する。飛来物でガラスが割れる。 猛烈な風暴風 立っていられない。車の運転は危険。ブロック塀が壊れる。 暴風 屋根が飛ばされる。木造住宅の全壊が始まる。 (気象庁による) ■風の強さと被害 ■雨の強さと被害 ■気象注意報・警報・情報 ■大雨による主な災害 風水害に備えよう! (2) 大雨や台風から身を守るには 高潮、浸水被害、土砂災害などの被害を受けやすい場所を予測することができます。大 雨や台風の際には、危険な場所には近づかないようにしましょう。 台風や豪雨のときには、正確な気象情報を収集 し、早めに安全な場所に避難しましょう。降雨量が1時間に20ミリ以上、降り始めてから 100ミリ以上になれば要注意です。注意報・警報が発表される基準は地域によって異なって います。日頃からお住まいの地域の地理的特徴や、よく出される予報、被害状況などをし っかりと頭に入れておき、いざというときに備えましょう。 こんな場合にも細心の注意を! ●アウトドア・ブームが招く危険 キャンプなどアウトドアでのレジャーは、自然の中で行うため、天候が悪化したときに 思わぬ災害に巻き込まれる危険があります。県内でも1999年8月に、神奈川県山北町 の玄倉川でキャンプ中の18人が濁流に巻き込まれ、13人が死亡するという痛ましい事故が 発生しています。 ●川がなくても起こる都市型水害 都市部は、地面がアスファルトに覆われているため、大量の雨が集中して降ると、下水 道の排水機能が追いつかず逆流するなど、川がなくても浸水が発生する場合があります。 最近では、地下空間の利用が増えていることから、地下街への浸水やビルの地下駐車場 などへの浸水被害が発生しています。 <高潮> ●ゼロメートル地帯 海岸近くのゼロメートル地帯(平均満潮面以下の土地)は要注意です。高潮によって浸 水の被害を被る可能性が大です。 ●海岸地帯 満潮の頃、台風が接近すると高潮は猛威をふるいます。特に、低い土地では厳重な警戒 が必要です。 <浸水災害> ●河川敷 昔、河川敷だったところや河川流域は、豪雨によって浸水する危険性があります。 <土砂災害> ●造成地 地質・地形が不安定なので、豪雨によって地盤がゆるみ、崩れる危険性があります。水 抜き穴から濁り水が出始めたら要注意です。 ●扇状地 豪雨によって山崩れが起こると土石流が扇状地を直撃します。避難の準備は早めにして ください。 ●山岳地帯 山崩れは集中豪雨ばかりでなく地震によっても発生するので、日頃から注意してくださ い。特に、樹木の少ない山間部では土石流に要注意です。 大雨などのときの避難5か条
1)動きやすく安全な服装を心がけてください。靴はひもでしめられる運動靴にしましょう。 2)足元に十分注意してください。長い棒を杖がわりにして安全を確認しましょう。 3)避難するときは2人以上が原則です。ロープでお互いを結んで避難しましょう。 4)水の深さに注意してください。水深が腰まであるようなら無理せず救援を待ちましょう。 5)高齢者は背負ったり、子供には浮袋をつけさせたりして安全を確保しましょう。 ■風水害の被害を受けやすい危険な場所地域で災害に備えよう! (1) まちを自ら守るには 大地震が発生したとき、建物の倒壊、火災の発生、水道や消火設備、道路の損壊などの 被害が広範囲におよぶことが予想され、残念ながら市町村や消防などの機関だけの対応に はおのずと限界があります。そうしたときに大きな力を発揮するのが、地域での活動です。 阪神・淡路大震災のときも、「壊れた家の下敷きになったが、近所の人たちによって救 出された」という例が少なくありませんでした。いざというときに力を発揮できるように、 日頃から地域のみんなで防災活動に取り組むことが、「皆のまちは、皆で守る」ことので きる災害に強いまちづくりの第一歩です。 自主防災組織とは、住民自身が自発的につくる防災のための組織です。地域外に勤めて いる人が多く、日中は専業主婦や学生が主体の地域と商店街のように日中も事業主が在宅 することの多い地域では、その担い手は異なります。 現実に地震が起きたときに活動できるように、地域の実情あった自主防災組織をつくり ましょう。 地域での防災活動は大切とは分かっていても、防災講習会や防災訓練という名前では参 加してもらえないのが実情です。運動会での種目として消火器による消火競争や担架での 運搬競争、親子サバイバル・キャンプなど楽しめるイベントを考えてみてはいかがでしょ うか。 ●情報の収集・伝達 的確な対策をとるために被害状況や火災の発生状況を とりまとめるとともに、防災機関からの災害に関する正しい 情報を住民に伝えます。 ●初期消火 出火防止のための活動や消防署、消防団がくるまでの間の初期消火を行ないます。拡大 して危険になった場合には、活動を中止して避難しましょう。 ●救出・救助活動 大地震のときには消防や救急が十分に活動できないおそれがあります。防災資機材を活 用して、周囲の人と協力して、下敷きになった人の救出・救助活動を行ないましょう。 負傷者には応急手当をして、救護所へ搬送しましょう。 ●避難誘導活動 避難の勧告や指示は、お住まいの市町村長から出されることになっていますので、正確 な情報に基づいて誘導しましょう。災害の状況によっては、避難経路が変わりますので、 お互いに助け合って全員がまとまって避難場所まで避難を。 [発災時の活動は] ●防災知識の普及 住民全員が防災に関する正確な知識を持つことができるように、みんなが楽しんで参加 できる催しなどを開催し、継続的に防災知識の普及を行っていくことが大事です。 ●危険箇所の点検 発災時に被害の発生や拡大の原因となるようなものは日頃から点検しておくことが必要 です。 ストーブなどの器具の点検を行うとともに、お住まいの地域の危険箇所を確認しておき ましょう。 ●防災資機材の整備 地域の実情に応じて、災害時に活動するために必要な機材を準備して町内会館や集会所 に防災倉庫を設けて保管しておきましょう。※ 《主な資機材》 ハンドマイク、携帯ラジオ、消火器、ヘルメット、はしご、ロープ、ス コップ、ジャッ キ、電動ノコギリ、担架、救急セット、テント、毛布、シ ート、発電機、夜間投光器、非
常食糧、炊飯道具など ●防災訓練の実施 いざというときに的確な行動を起こすためには、訓練を繰り返し行い、その行動を身に つける必要があります。お住まいの市町村、地域、消防署などの訓練に積極的に参 加しましょう。 [平常時の活動は] ※防災資機材の整備等にあたっては、お住まいの市町村の防災関係課にご相談ください。 ■自主防災組織とは 事業活動の再開に向けて 事前にどんなに準備をしたとしても、建物が損壊したり、従業員が負傷したり、受注の 減少や運転資金の不足など、被災の程度によって事業再開は大変ではないかと思います。 そうした不測の事態が発生したとき、できるだけ短時間で通常業務に復帰できるように するため、バックアップシステムの整備、バックアップオフィスの確保、要員の確保、 安否確認の迅速化などの方針(業務継続計画)を定めておくことが有効であるといわれて います。さらに、非常時の飲料水や食料、緊急医薬品、携帯ラジオ、ヘルメット等の非常 用品を備蓄するとともに、防災訓練を行って万一の場合に備えましょう。 過去の災害の事例をみると、国や自治体などで被災に応じた優遇特例措置が実施されま す。被災した場合には業界団体やお住まいの市町村にぜひお問い合わせください。 阪神・淡路大震災では、多くの事業所が建物に被害を受けたり、従業員が負傷したりし ました。事業所(企業)は、業務継続のためにすみやかに事業活動を再開することが大切に なりますが、事業所は地域の構成員でもあり、可能な範囲での地域貢献を行うことが求め られています。 (2) 事業所を自ら守るには わずかな備えでも、大地震のときの被害が大きくなることを食い止めることができます。 1)事業所の建物などの耐震診断と補強・改善 ・建物を倒壊から防ぐとともに、看板や塀などの危険箇所の安全を確認しましょう。 ・エレベーターの耐震化や救出対策といった安全対策をとっておきましょう。 2)避難通路の確保 ・避難のため、通路や出入口には必要以上に材料や製品を置かないようにしましょう。 3)パソコンや書類棚など事務機器の転倒防止 ・図面、取引先や顧客の情報、経理など のデータは、バックアップをしておけば、現状復旧が可能です。定期的にバックアップを とって耐火金庫等に保管しておきましょう。 ・重要書類や重要物はまとめて保管し、すぐ持ち出せるようにしましょう。 4)危険物管理や生産設備の防護対策 ・危険物の転倒、液もれ、引火等がないような保管方法を確認しましょう。 ・重機械などの生産設備が転倒・移動しないよう壁や床に固定するとともに、必要に応 じて緊急停止 できるようにしましょう。 5)事業所内のライフライン設備の耐震化 ・事業所機能を支える電気設備をはじめとした設備の耐震性について考えておく必要が あります。 ・通信手段の確保を図るため、蓄電池や自家発電設備等を備えておくことも有効です。 また、災害時の通信には電話だけでなく無線など多種類の通信手段を確保しておくとよい でしょう。 6)共用施設の使用マニュアルの検討・作成 ・共同ビルに入居している場合には、ビルの管理会社やテナント相互間で役割を明らか にし、対策をたてておくことが必要です。 ■事業所内外の安全対策を地震に備えよう 覚えておこう! 災害伝言ダイヤルサービス ●伝言を登録する場合 「171」をダイヤルし、聞こえてくるガイダンスに従い「1」をダイヤルします。次に自 分の安否について家族や知人から聞いてこられる可能性の最も高い電話番号(例えば 自宅の電話番号)を市外局番から順にダイヤルし、ガイダンスに従って安否等のメッセー ジを録音してください。
●伝言を再生する場合 「171」をダイヤルし、聞こえてくるガイダンスに従い「2」をダイヤルします。次に連 絡を取りたい相手先の電話番号(自宅の場合は自宅の電話番号)を市外局番から順にダイ ヤルしてください。 大地震が発生したとき、家族の安否を確認しようとしても、一般の電話や携帯電話は使 えないと考えた方がよいでしょう。震度6弱以上でサービスが開始される災害用伝言ダイ ヤル「171」(詳しくは上記コラムをご覧ください)や携帯電話の災害用伝言版を利用 することをお勧めします。 ● 災害が発生し、又は発生するおそれがある場合に、市町村長は居住者、滞在者に対して 避難勧告、避難指示を出すことができます。 ● しかし、避難勧告などが発令されなくても、自ら危険が迫っていると判断される場合に は自主避難をしましょう! ● 特に、大雨の時、地震後の二次災害が予想される時には、市町村長からの避難勧告等が 間に合わないこともありますので、ご自身や自主防災組織等で適切に判断して避難しまし ょう。 ● 市町村の防災パンフレットを参考に避難袋等を用意しておきましょう。 ● 通勤、通学で家族が離れ離れになった場合の連絡方法、待ち合わせ場所を家族防災会議 で決めておきましょう。 ● 災害時には一般電話や携帯電話は通じにくくなります。災害時優先電話である公衆電話 を使用するか、災害用伝言ダイヤル(171)、携帯電話の災害用伝言板を使用しましょ う。 ● 避難地、避難場所は、家族や自主防災組織で確認しておきましょう。 避難所で生活するのは大変不自由なことです。ストレスや過労から体調を崩してしまう こともあります。 支援してくれる医師や看護師といった専門家やボランティアの協力を得て、避難者同士が 助け合って避難所を運営し、一人ひとりの心身の健康を保つよう努めましょう。 ■避難所生活心得 1)避難所は市町村が指定している場所に設営されます。 2)リーダーを選任しましょう。(できる限り事前に決めておきましょう) 3)避難者同士で相談して、食事、トイレ掃除、水汲みなど作業分担を決め、掲示板等 により全員に徹底しましょう。 4)ボランティアに任せきりにしないようにしましょう。 5)高齢者の方々や子どものスペースや食事を優先しましょう。 6)着替えスペースなどプライバシーの確保にも努めましょう。 ■避難勧告・指示は市町村長が発令します ■家族の連絡方法、待ち合わせ場所を決めておきましょう 災害が起きたら 14 震災時には、建物の倒壊や家具等の転倒により多数の負傷者が発生し、医療機関も同様 に被災することから、医師による治療が受けられるとは限りません。そういう場合には、 応急手当をして、市町村が開設する救護所に運びましょう。 このような事態に対応するため、神奈川県では、医療品・医療資機材の備蓄をしている ほか、救護班を派遣するなど被災者の医療救護体制を定めています。災害時に負傷者の受 入れ、救護班の派遣など医療救護活動の中心的な役割を担う施設として、災害時医療拠点 病院30か所を指定しています。 (2) ケガをしたときは 災害発生時には、だれもが「自らの身は、自ら守る」という意識で行動をとることが必 要です。しかし、高齢者や心身に障害のある人、外国人など何らかの手助けが必要な人 (災害時要援護者)にとっては、必ずしもそれは簡単なことではありません。行政や地域 が協力して支援することが必要です。 県では、地域の実情に応じた災害時要援護者の支援体制を整備するため、「災害時にお ける要援護者支援マニュアル作成指針」を作成しています。お住まいの市町村で作成して
いるマニュアルを確認してみましょう。また、日頃から地域住民同士でコミュニケーショ ンを築いておくことも大切です。 (3) 高齢者、障害者が安全に避難するには ●高齢者や傷病者などには複数の人で対応しましょう。緊急のときはおぶるなどして避難 します。 ●目の不自由な方の場合には、杖を持つ手と反対のひじのあたりに軽くふれ、階段など障 害物の説明をしながらゆっくり歩きましょう。耳が不自由な方の場合は、口を大きく動か しゆっくり話したり、身ぶりや筆談などで正確な情報を伝えましょう。 ●言葉の通じない外国人の場合は、身ぶり手ぶりで話かけ孤立させないようにしましょう。 (平成17年1月1日現在) ● 避難地、避難場所は、家族や自主防災組織で確認しておきましょう 医療圏 災害時医療拠点病院 川崎北部 聖マリアンナ医科大学病院、帝京大学医学部附属溝口病院 川崎南部 川崎市立川崎病院、関東労災病院 横須賀三浦 横須賀共済病院、横須賀市立市民病院 湘南東部藤 沢市民病院、茅ヶ崎市立病院 湘南西部 海大学医学部付属病院、平塚市民病院、秦野赤十字病院 県央 厚木市立病院、大和市立病院 県北 北里大学病院、相模原協同病院、津久井赤十字病院 県西県立足柄上病院、小田原市立病院 横浜北部 昭和大学藤が丘病院、横浜労災病院、昭和大学横浜市北部病院 横浜西部 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院、けいゆう病院、横浜市立市民病院 国立病院機構横浜医療センター 横浜南部 横浜市立大学医学部附属病院、横浜南共済病院、横浜市立港湾病院 ■避難誘導のポイント 帰宅困難者心得10か条 もし、通勤・通学・買物中に突然の大地震に見舞われてしまい、交通機関がマヒしてし まった場合、自宅まで帰ることが難しい…つまり帰宅が困難な方々のことを帰宅困難者と いいます。外出中に大地震が起きたときは、どうしたらよいか常日頃から考えておきまし ょう。 また、徒歩で帰宅する場合には、ガソリンスタンドや郵便局、公立施設で水やトイレ等 の提供を受けることができます。 @あわてず騒がず状況確認、A携帯ラジオをポケットに、Bつくっておこう帰宅地図、C ロッカー開けたらスニーカー、D机の中にチョコかキャラメル、E事前に家族で話し合い、 F安否確認(災害用伝言ダイヤルの活用など)、G歩いて帰る訓練を、H季節に応じた冷 暖準備(カイロ、カッパなど)、I声を掛け合い助け合おう 災害が起きたら 大地震の発生を予測することを予知といいます。気象予報とは異なり、地震を予知する 方程式は確立していません。ただし、東海地震だけは観測網を密にして、観測データの変 化から発生を予知しようとしており、観測データに明らかな変化が表われた場合には、東 海地震に関連する情報が発せられることになっています。 東海地震は、これまで100年から150年周期で、ほぼ同じ場所で同じ規模の地震が繰り返 し発生していることが知られていますが、1854年の安政東海地震以来、150年間地震が発生 していません。そのため、いつ地震が起きてもおかしくないといわれています。そこで、 東海地震が発生した場合に震度が6弱以上となる地域を、「地震防災対策強化地域」に指定 しています。神奈川県は、県西部地域の8市11町が指定されています。 (1) 地震防災対策強化地域 東海地域の観測データに明らかな変化が表われた場合には、国から「東海地震に関連す る情報」が発表されます。これらの情報は、県や市町村のほか、テレビ、ラジオ等を通じ て県民に伝えられます。 (2) 東海地震に関連する情報東海地震の防災対策 厚木市 伊勢原市 秦野市
平塚市 大磯町 中井町 山北町 南足柄市 小田原市 箱根町 開成町 大井町 真鶴町 湯河原町 海老名市 茅ヶ崎市 寒川町 二宮町 松田町 地震防災対策強化地域情報名 主な対応 東海地震観測情報 観測された現象が東海地震の前兆現象であると直ちに判断できない場合に発表 東海地震注意情報 観測された現象が前兆現象である可能性が高まった場合に発表 東海地震予知情報 東海地震の発生のおそれがあると判断した場合に発表 ○国や県・市町村では情報収集体制をとる。 ○県民の方々はテレビ、ラジオ等の情報に注意(普段どおりの生活を維持)。 ○県では「東海地震注意情報時対策本部」を設置。 ○気象庁では、東海地震の発生の可能性について検討する「地震防災対策強化地域判定会」 を開催。 ○児童・生徒等の帰宅、自衛隊や消防機関等の派遣等の準備。 ○県民の方々はテレビ、ラジオ等の情報に注意し、県・市町村の指示に従って行動。 ○内閣総理大臣から「警戒宣言」の発令。 ○県、地震防災対策強化地域内市町では「地震災害警戒本部」を設置。 ○津波やがけ崩れの危険地域からの避難、交通規制の実施、鉄道等の運行中止。 東海地震の防災対策 強化地域内(平塚市、小田原市、茅ヶ崎市、秦野市、厚木市、伊勢原市、海老名市、南 足柄市、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、 真鶴町、湯河原町)では、運行は中止されます。 強化地域外では、それぞれの線路の実情を踏まえて可能な限り運行を継続します。 東海地震注意情報が発表された段階で、強化地域内外をとわず、交通機関を利用する児 童・生徒については、状況に応じて保護者へ引き渡し、あるいは帰宅させます。留守家庭 等で帰宅できない児童・生徒については、状況を判断して学校等が保護します。 耐震性が確保されているデパート、スーパーマーケットについては営業を継続できるも のとします。生活必需物資を扱う小規模小売店はできるだけ営業を継続するよう努めます。 東海地震の発生のおそれがあると判断された場合には、内閣総理大臣から警戒宣言が発 令されます。被害を極力少なくするため、国、地方自治体、住民、企業は事前に定めてい る防災計画に従って行動する必要があります。 現在、警戒宣言が発せられる可能性があるのは、観測網が整備されている東海地震だけ です。 警戒宣言発令時には、交通の混乱と交通事故の発生を防止し、地域住民の円滑な避難、 緊急輸送を円滑に行うため、交通規制を行います。概ね相模川以西が通行禁止区域(車両 通行が原則として禁止される地域)となり、概ね相模川以東が、通行制限区域(通行禁止 区域内方向への車両通行が抑制される地域)となります。 みんなが車を使って避難すると、道路が渋滞して、消防車や救急車などの緊急車両や避 難する人たちのジャマになってしまいます。山間部などでどうしても車で避難しなければ
ならない場合を除いて、徒歩で避難するようにしましょう。 (3)交通規制は 救助や消火活動など応急対策のために、防災拠点や主要都市を連絡する国道などを緊急 交通路に選定(県内54路線)しています。東海地震の警戒宣言発令時に、必要に応じて緊 急交通路に指定されると、一般の車両は通行できない場合があります。 また、復旧活動のための資材や要員、車両などの輸送のため、緊急輸送路を指定してい ます。橋やトンネル、歩道橋などの点検・補強を優先的に進めているほか、これらの道路 の被災に対応できるよう応急復旧用の資材を備蓄しています。 ●東海地震の警戒宣言が発令されたら● バスは 鉄道は 学校では デパート等不特定多数の出入りがある施設では 出典:神奈川県県土整備部道路管理課「神奈川の緊急輸送道路 いのちと暮らしを守る輸送 ネットワーク」(平成15年3月) JR ■交通規制 ■緊急交通路・緊急輸送路 東海地震の防災対策 (4) 警戒宣言時の心得 1)冷静な行動をとること 2)ラジオ・テレビの情報に注意すること・市町村や自主防災組織からの情報も確認。・ デマには惑わされないように。 3)火を出さない対策をとること・できるだけ火を使わない、必要のない電気器具の コン セントを抜く、引火の恐れのあるものは安全な場所に移動させるなど。 4)家具等屋内重量物の転倒防止措置をとること 5)当座の飲料水、食料品等の持ち出しの準備をすること 6)自動車による移動を自粛すること 7)避難対象地区として市町村から指定された地区以外は避難行動を行わず、耐震性が確 保された自宅での待機等安全な場所で行動すること 8)津波や山・がけ崩れなどの危険地域の住民は、素早く避難 9)電話の使用は自粛すること 10)児童・生徒の引き取りは計画に従って・引き取りの計画を学校ごとに作成するので、 日頃から学校と連絡をとりあうことが大切。 12)身軽な服装に着替える・活動しやすい服や靴にする。・頭を保護する防災ずきんなど をかぶる。 13)高齢者、子ども、病人などの事前避難は屋内で・避難地で運営する避難生活は、原則 として屋外です。ただし、災害時要援護者の保護のために、指定された施設内において避 難生活を送れるものとします。 ■警戒宣言が発せられた場合の対応 東海地震の発生のおそれがあると判断され、警戒宣言が発せられた場合、地震防災対策 強化地域(16頁を参照)内での鉄道やバスの運休など事前の防災措置を実施することにな ります。それに伴い、各地で混乱が生じることが予想されます。駅や道路には、帰宅を急 ごうとする人があふれ、回線の混雑により電話がつながりにくくなるといった事態が生じ ることが考えられます。まず、一人ひとりの心得としては、国や県、市町村などの防災関 係機関からの正確な情報を入手し、自分の身の周りはどうなるのか、冷静に社会の動きを よく把握して、素早く安全に行動することが大切です。 東海地震の防災対策 富士山は、有史以来確かな記録だけでも10回の噴火が確認されている活火山ですが、 1707年の宝永の大噴火から噴火記録がありません。将来噴火することも考えられますので、 活火山であることを認識して、火山情報が発表された場合には、情報に注意しましょう。 富士山の噴火による神奈川県内への影響は、噴石、溶岩、火砕流など直接的なものは想 定されませんが、降灰による影響が考えられます。
箱根火山は、約3千年前に神山の北西斜面で水蒸気爆発が起こり、これがもとで、この 後芦ノ湖・仙石原・大涌谷が形成されました。現在も大涌谷で噴気が上がり、山麓に温泉 の恵みを与える活火山です。 数百年に一度程度水蒸気爆発が発生する可能性があり、箱根町では火山防災マップを作 成して住民、観光客に啓発を行っています。 6火山の防災対策 出典:箱根町火山防災マップ [箱根火山の詳細: http://www.town.hakone.kanagawa.jp/hakone_j/kurashi/iza/kazanmapindex.htm] [富士山が大規模な噴火が発生した場合の降灰深(cm)の想定] 出典:富士山ハザードマップ検討委員会「富士山火山防災マップ」 [富士山ハザードマップの詳細:http://www.bousai.go.jp/fujisan-kyougikai/] 土石流の可能性 木造家屋の倒壊のおそれ ■富士山 ■箱根火山 すぐに危険にはなりませんが、火口位置によっては避難が必要な範囲です。公的機関から 出される避難情報に注意してください。また、避難に時間のかかる人(お年寄りや入院患 者等)は早めに避難してください。(溶岩が流れ続けた場合に、1日くらいで到達するかも しれない範囲を示しています)雪が積もっている時に噴火しそうになった場合に、沢や川 に近寄らないようにする必要がある範囲です。 (積もった雪が火砕流により溶かされた場合、発生した泥流が沢や川沿いであふれるおそ れのある範囲を示しています)火口ができる可能性の高い範囲 地震や風水害の予測は困 難です。だからこそ、日頃の防災対策が必要です。その第1歩は、住んでいる地域におけ る地震、崖崩れ、津波、洪水などの危険に関する情報を知ることです。そうした情報を 知るには、お住まいの市町村の防災関係課に問い合わせてみることが有効です。 8防災についてもっと知ろう! 神奈川県(防災のページ) 防災・危機管理eカレッジ 防災情報のページ(内閣府防災担当のページ) 消防庁 気象庁 地震調査研究推進本部 一次持出品 二次持出品 非常持出品を準備しよう! いざというときに、ただちに避難するために、日ごろから非常持出品を常備しておきまし ょう。 ◆避難するとき最初に持ち出すもの。 ◆あまり欲張りすぎないことが大切です。 男性15kg、女性10kg程度が目安です。 現金(公衆電話用の10円硬貨があると便利)、通帳類、証書類、身分証明書、 健康保険証、免許証、印鑑など。 小型で軽く、FMとAMの両方聴けるものを用意。予備電池も多めに用意する できれば一人にひとつ用意。予備の電池と電球も用意する。 ばんそうこう、ガーゼ、包帯、消毒薬、解熱剤、胃腸薬、風邪薬、鎮痛剤、とげ抜きなど。 ※持病のある人は常備薬も忘れずに! カンパンや缶詰など火を通さないでも食べられるもの、水、水筒、紙皿、コップ、ナイフ、 缶切り、栓抜きなど。 下着、上着、靴下、ハンカチ、タオル、ティッシュペーパー、ビニールシートなど。 ※乳幼児のいる場合…ミルク、ほ乳ビン、おむつ、バスタオルなど ※要介護者のいる場合…着替え、おむつ、障害者手帳、常備薬など 貴重品
携帯ラジオ 懐中電灯 救急薬品 非常食料・水 その他 そのまま食べられるか、簡単な調理で食べられるもの。缶詰やレトルト食品、切りもち、 チョコレート、梅干し、チーズ、調味料など。 飲料水は大人一人当たり1日3gが目安。飲料水以外に炊事、洗濯、トイレなどに使う 生活用水の確保のため、風呂の水は抜かず、寝る前はポットややかんに水をいれておく。 卓上コンロ、固形燃料や予備のガスボンベは多めに用意を。アウトドア用の携帯コンロも 便利。その他洗面具、生理用品、ビニール袋、キッチン用ラップ、新聞紙など。 食 料水燃料・その他 ◆災害復旧までの数日間を自活するためのもの。 ◆最低でも3日分、できれば5日分を用意しておきましょう。 神奈川県安全防災局災害消防課 横浜市中区日本大通1(〒231‐8588) 電話045‐210‐1111(代表)
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