なっています。 墨のにじみ、濃淡、線、筆勢、余白が絵を見る人の創造力を掻き立てます。 内山雨海先生は「書画一致」を強調され、書の研究をゆるがせにできないと言われます。 遅・渋.・峻・疾の書の技法の伝承を重要なをポイントとして指摘されます。 内山雨海先生の師下村為山(1865−1949年松山出身、正岡子規一門で俳句作者とし て俳画作品もある)はスケッチから制作しました。模写から出発する南画と異なります。 内山雨海先生は、デッサン力をつけ、近代絵画ととしての墨画の完成に傾倒され「心の 夢」を描くことを理想とされました。 私たちは今、内山雨海先生の息女で先生の衣鉢をつぐ、鈴木缶羊先生の主宰する缶羊 墨画研究所で学んでいます。絵を知り、絵を絵がく楽しみが生活に潤いを与えてくれます。 墨画 絵を描くたのしみ
墨画の道具は紙、筆、硯、墨が基本的なものです。 紙は「にじみ」の美が表現できるようなものを求めます。 筆は羊筆(柔らかい)大中小・山馬筆(硬い)大中小・面相筆(細い)を使います。 硯は中国産の端渓石が推奨されています。滑らかな石肌で墨のおりのよいものを使いま す。 墨は青墨を使います。 始めは南瓜、ナス、とうもろこしなどを前にして描きます。 蘭、竹、菊、梅のいわゆる四君子も春夏秋冬に題材として選ばれます。 薔薇、百合、こすもす、朝顔、水仙、シンピジュウム、椿、烏瓜などなど身近な花々を写生 します。 次に秋刀魚、鮭、ふぐ、たこ、いか、かになどの魚介類も写生します。 柿、ダイコン、いも、たけのこ、なども題材になります。 ねこ、いぬ、さる、カラス、すずめなどの動物にも及びます。 人物、仏像、野仏、さらに空、河、海、山、草原、滝、などの風景万象が写生の対象になる のです。 朝夕に絵を,万象を、夢見て創作することは、不可能ですが、週に一回でも創作の楽しみ を味わいたいものです。 平成19年6月3日 戸張碩山 |