読書余滴       20100702                      戸張道也       
 

  「 ダイヤモンドを探せ 」ラッセル・コンウェル著

岸本紀子 翻訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン社2003発行 表紙扉より「チャンスはどこかからやってくるものではありません。あなたの目の前にあって、発見されるのを待っているのです。」

(1)要旨紹介:著者が、全米各地で行った講演から生まれた一冊。1世紀以上にわたって読み継がれ、アメリカで「聖書に次いで多くの人に幸福をもたらした」といわれる。(2)菅井英明氏web本棚サービスより紹介記事:このテンプル大学の創始者にして牧師でもあるコンウェル氏は、お金は力である、とはっきり宣言した。そして、良いことを行うために金銭の力を得て、世の中に大きな貢献をするべきだ、と若者に訴えた。(3)戸張紹介:たとえ話のような実話が散りばめられていて興味が深い内容です。著者ラッセル・コンウエル氏は南北戦争時の北軍士官で、リンカーン大統領との交渉の消息も取り上げられています。直截的に書かれていますが、現代の経営書に書き換えれば数百ページになるのかもしれません。

1 ダイヤモンドはどこにある ゴルコンダのダイヤモンドの物語

 
豊かな庭園と農園をもったペルシャ人の農夫アリ・ハフェドがある僧からダイヤモンドの話を聞き、ダイヤモンドのある土地を手に入れるため、すべての資産をを売却し、探し求めた挙句、 惨めに飢え、身投げして果てた。ところが、アリ・ハフェドから農園を買い受けた男がその庭園を流れる浅い小川からダイヤモンドを発見。

2 あなたの目の前にもダイヤモンドがある。

マサセッチューセッツに住みイエ−ル大学で鉱物や採鉱技術を学んだ才能のある若者が自分の住んでいた家屋敷を売却し、銅の採掘会社に、鉱脈を発見すれば多額の採鉱料を得る契約を得て就職した。ところが彼の土地を買った男がその畑に露出した銀の鉱脈を発見した。 鉱山学の専門家である若者はマサセッチューセッツの田舎町に銀など出てくるわけがない。どこか他の土地にあるはずだとそう考えていたのです。現在ここにはかってないほどのチャンスがあふれています。世界中のどこをみても、これほどすばらしい場所はありません。いいですかこれは真実です。この言葉を信じてください。私はおとぎ話に時間を費やすほど暇ではありません。

3 お金を儲けるのは悪いことではない

お金持ちが百人いればそのうち98人は誠実な人間です。だからこそお金持ちになれるのです。だからこそ安心してお金をまかせてもらえるのです、だからこそ大企業を経営し、多くの人手を集めることができるのです、すべては、彼らが誠実な人間だからです。お金は力です。もつと堂々とお金儲けに熱意を燃やしてください。お金がある方が、たくさん良いことができます。お金の使い方に良い悪いがあるのです。そしてお金の使い方は、その人の心のありかたによって決まるのです。
お金を使って何かをするのではなく、お金そのものを愛することは何の役にもたたない愚かな行為です。しかしお金を儲けることは「金銭を愛する」こととは違います。正しくお金を使う人は世の中に多大な貢献をすることができます。
この世で最も大切なもの、それは愛です。しかし愛する気持ちとお金の両方があれば、一層幸せになれます。お金は力です。お金はものを動かします。お金は毒にもなれば薬にもなります。良い人の手に渡れば、お金は幸福な結果をもたらします。

4  お金持ちになれない原因は自分自身にある

人間の価値はその人が受け取るものによって決まるのです。世の中は、その人が値するものだけをその人に支払うのですから。
人の役にたつことをすれば、その見返りを受け取ることができます。 これは聖書にも書いてあることですし、ビジネスの常識でもあります。不当に高い値段でものを売るのは悪いことですが、利益が出ないほどの値段でものを売るのも同じくらい悪いことです。ですからどんな商品を売るときでも、買う方の利益と売る方の利益が同じになるようにすべきです。あなたが人々の役に立った分だけ、人々はあなたにお金を支払うのです。あなたが金持ちになれないのは、運が悪いからではありません。あなたが人々に求められていないからです。どうか世の中から必要とされるような人になってください。

5 ビジネスに必要なのは資金ではなく頭脳だ

みなさん自分の才能やお金を無駄にしてはいけません。まわりをよく見て人々のニーズを把握してください。そして人々が必要とするところに、自分の力やお金をつぎ込んでください。若者が何の苦労もせず大金を手にいれると、それは本人の足かせになります。親の財産を相続しても何のメリットもありません。お子さんがいらっしゃる方は、財産を残してやろうなどとは思わないでください。それよりも良い教育を与え、敬虔な心やすぐれた人格を育み、多くの友人を作らせ、立派な人間に育ててやってください。
裕福な家庭に生まれた子供たちはほかのどんな人々より気の毒な存在です。本当に哀れに思います。彼らは人生の最大の喜びを知らないのですから。ここにお集まりの若い皆さん、貴方が資金を持っていないとしたら、それは喜ぶべきことです。
お金を儲けるのに必要なのは、資金よりも心のありかたです。大切なのはやる気と目的です。非凡な才能など必要ありません。平凡な能力を、大きな目的に向かって最大限に生かせばいいのです。

6  大金持ちになる法則  人が本当に欲しいものを用意する。

なぜ、あの店は繁盛しているのでしょう?なぜ、あの製品は売れているのでしょう?理由は簡単です。人々が求めるものを作ったり、売ったりしていることです。そして、人々が求めないものを売ろうとしないからです。いいですか、いかなる場合でもビジネス、専門職、家事、そのほかどんなことに関しても成功の秘訣はただ一つです。まず需要を把握することです。人々が何を求めているか、それを知ることから始めなくてはいけません。それができたら、最も需要の高いところに力を注ぐのです・人の必要なものを与えられるように努力してください。これは計り知れないほど広く深い法則です。

7 ヒントはどこにでもある

人々のニーズを知ることは、どれほど多くの資金よりも有効な、富への近道です。
つまり人の心を読もうと思ったら、自分の妻や子供を見ればいいということです。

8 本当に偉大な人とは

本当に偉大な人というのは、平凡で飾り気がなく、常識的な人間です。実際に行動を起こすまでは、とても発明家とは見えないような人なのです。
何をするときにも全力を傾け、それをやりとげるまではけっして気を抜かない、そうすれば、まず間違いなく偉大な人物になれるのです。(リンカーン大統領)
ものごとを素直に見られる人は、シンプルな事実を見抜くことができます。そのシンプルな発見こそが偉業を生み出すのです。(コロンブス)
些細なことを見逃さない柔軟な姿勢が、大きな成功をもたらすのです。

9 自分の力を信じる

ただし、ぼんやりしているとアイデアをとらえることができません。ちょっとした思いつきを見逃さないような、開かれた心を持つことが大切です。もちろん自分の可能性についても開かれた心を持たなくてはいけません。みなさんのなかで、自分のうちに秘められた大きな力に気づいている人がどれだけいるでしょうか?あなたはすばらしい可能性秘めています。あとは自信をもって、行動を起こすだけです。

10 今すぐここではじめよう

偉大さというものは、地位や身分とは関係がありません。少ない元手で大きな行為をなしとげることに、偉大さはあるのです。何の地位も持たない人が、非常に多くな目的を達成すること、そこに偉大さがあるのです。何らかの偉大な業績を上げたければ、今ここで、まず何かをしてください。歩きやすい道、すぐれた学校、多くの幸せ、心の平和、そういったものを周囲の人々に与えてください。あなたが職人であろうと商人であろうと主婦であろうと、やりかたは同じです。
大切なのは、人々の役に立とうとすることです。つまり人々のニーズに応えることです。そして人々のニーズを知るために必要なのは、すぐ目の前のヒントを見逃さないようにすることです。それこそが真の偉大さを生み、大きな報酬をもたらしてくれるのです。「ダイヤモンドの鉱脈」は、貴方の家の裏庭に眠っています。